導入の背景:Excelリスト管理の限界と、増大するサードパーティリスク
— 御社のIT部門の構成や特性について教えていただけますか?
IT部門は現在4部署あり、約250名が所属しています。お客様接点や株式・債券等のフロント領域を担当するフロントIT部、基幹システム・インフラ領域を担当する基幹インフラIT部、AI活用やDXを推進するデジタル推進部、そしてIT部門をとりまとめてデジタル戦略やIT予算の策定、システムリスクの管理等を行うIT統括部という構成です。グループ横断のITガバナンス機能も担っており、3年間の中期経営計画におけるデジタル戦略の策定や、海外拠点・グループ会社とも連携しながら、IT案件管理やシステムリスク管理に取り組んでいます。
— リスクやセキュリティに関して、どのような課題を感じていたのでしょうか?
システムリスクは現在非常に注目されている分野です。特に関心が高い分野としては、AI活用に伴う新たなリスク、サイバーセキュリティ、自然災害発生時の業務継続対応など。外部委託先のシステムリスク・情報セキュリティリスクにも強い関心を持っています。
当社はこれまでDXやAI導入を推進しており、本来であればこれと並行して、リスク管理水準も新しい環境に合わせたアップデートをしていく必要がありましたが、実務レベルではExcelやメールを中心とした運用が依然として残っており、メンテナンスだけで多くの工数が割かれている状態でした。一方で、社内では外部クラウドサービス・AI関連サービス等の利用が増加したことで、管理すべき委託先件数や、クラウド・AI特有のリスクといった管理項目・チェック項目が増え続けています。
システムリスクコントロールを担う人的リソースを有効に活用するため、非効率な作業に割かれている工数を削減し、新たなリスクへの対応へシフトしていきたいという思いが強くありました。
— DXの取り組みについて、御社ならではの特徴はありますか?
当社のDXの特徴は、「現場主導のスピード」と「金融機関としてのリスク統制」を両立している点にあると考えています。
トップメッセージである「スピード、現場のリーダーシップ、適正なリスクテイク」のもと、従来のようにIT部門が一元的に企画・開発を担うのではなく、ビジネス部門自らがデータやデジタル技術を活用し、企画・実装を主導する取り組みが拡大しています。
併せて、データ基盤やクラウド環境、AI活用基盤といった共通プラットフォームを整備することで、現場が自律的に動ける環境を構築している点も特徴です。
その上で、AIのように特に重要な領域についてはリスクレビューやモニタリングを行い、「スピード」を阻害しない形で「統制」を両立しています。
選定の決め手:「面白い考え方をされている」という直感と、スピード重視の文化
— Conoris BPを検討いただいたきっかけを教えてください。
ちょうど外部委託先管理に関して、「何か効率化しなければ」という課題意識を持っていた時期に、Conoris社から当社実務担当者にアプローチがあったことがきっかけでした。担当者から「こういうツールがあるらしいので検討してみたい」という提案を受け、実際にConoris社にお会いしてお話を聞き、興味深い考え方をされていると感じたので、まずは試してみようということになりました。
当課の業務には、外部委託先管理以外にもExcel作業が膨大にあり、これを撲滅していきたいという想いがあります。Conoris BPが良い取っ掛かりになり、他の案件担当者にも自らの業務効率化を企画するような取り組みへ波及できたらと考えたのも一要素です。
— 意思決定はスムーズに進みましたか?
とてもスムーズに進みました。現場の製品への評価も高く、担当役員も、まずは限定的に導入し、効果を見ながら展開を検討しようという前向きな姿勢でした。
現状・課題・将来像が整理しやすい分野なので、話は通しやすいと感じます。導入期間も短く、コスト面も含めて導入しやすい水準であり、リスクと効果のバランスを踏まえても、十分導入価値があると判断しました。

導入後の成果:リスク管理水準の向上と、担当者が変わっても続く情報継承
— 実際に導入してみての手応えはいかがですか?
委託先審査の承認者の立場から言うと、非常に使いやすいです。UIが見やすく、違和感のある部分がすぐに見つけられ、レポートもじっくり読むことができるようになりました。人が転記することによるミスがなくなり、データも構造的に管理ができるようになったため、リスク管理の精度や継続性は大きく改善したと感じています。
また、実際に申請を行うユーザーからの評判も非常に良いです。通常、新規システム導入時は使い勝手がわからず問い合わせで繁忙するところ、ユーザーからの問い合わせが想定していたより少なくて驚きました。実際に使用感をヒアリングしたところ、「直感的な操作で進められるので質問することがない」とのことでした。運用担当者としても大いに助かっています。
— 組織全体としてどのような効果がありましたか?
当社では生産性を非常に重視しています。このようなシステムを導入することで、Excelのメンテナンスや転記等の単純作業にかかる時間を削減し、より高いレベルの仕事や新しいビジネス創出に人材をシフトしていきたいと考えており、理想に近づいた手ごたえがあります。
大和証券でシステムを導入して効果が確認できたので、今後は他のグループ会社への展開可能性についても検討していきたいと思っています。
— 特に評価している機能はありますか?
細かい機能ですが、ワークフロー上のコメント機能が非常に役立っています。従来のExcel管理では、前任者がどのような観点でチェックをしていたかという情報が引き継がれにくい部分がありましたが、Conoris BPでは審査時のやりとり含めてすべての情報が集約されているので、担当者が変わってもチェック内容や判断材料等が暗黙知とならず、継続的に蓄積され、活用できます。委託元部署の担当者も異動することがあるため、どういうやり取りで承認に至ったのかという経緯が簡単に確認できるのはガバナンスの観点からもありがたいです。
今後の展望:グループ全体への展開と、グローバルスタンダードへの期待
— 今後、Conoris BPをどのように活用していきたいですか?また、Conorisに期待することがあればお聞かせください。
新規契約時だけでなく、定期的な棚卸と再評価においても活用していきたいと考えています。前回の情報を引き継ぎ、管理部署も委託元部署も担当者が変わっても、前回の内容を踏まえて継続的な管理を行っていけるようにしたいです。
また、是非Conorisにはグローバルスタンダードになってほしいです。昨年ユーザー会もありましたが、リスク管理の分野は非競争領域なので、今後も他社の取り組みについて情報共有できる場があると嬉しいです。他社のノウハウも含めて、リスク管理・統制の面と生産性向上の面で、グループ内に還元していきたいという思いがあります。
導入を検討中の企業様へ:まず動いてみることの大切さ
— 最後に、Conoris BPの導入を検討されている他社の担当者の方へアドバイスをお願いします。
「まずやってみてください」と言いたいです。導入にあたっては一定の確認事項はありましたが、大きな支障なく進めることができました。
コストも高くありませんし、委託先、サードパーティリスク管理は今後のセキュリティ・ガバナンスでは必須の対応事項であり、適切な対応には人力では限界があるため、ツールの活用は必須だと思います。
外部委託先管理は多くの企業に共通する業務だと思いますが、何とか人手・Excelでできてしまう分、解消すべき課題として認識されにくく、誰かの苦労の上に成り立っている状況なのではないでしょうか。DXの推進によりツールや取引先が増える中で、本当にひっ迫した状態になる前に手を打つことが重要です。
さらに、サイバーセキュリティや経済安全保障の観点でも、委託先、サードパーティリスク管理は重要性が増しており、求められるレベルに到達するためには、従来のやり方にとらわれず、業務プロセスそのものを見直す必要があると考えています。

