「Security Leaders」開催レポート 〜サプライチェーンセキュリティ評価制度(SCS評価制度)にどう向き合うか〜

2026年6月4日(木)、株式会社Conoris Technologiesは、乃木坂倶楽部(東京都港区)にて「Security Leaders」を開催いたしました。
本イベントでは、2025年12月26日に経済産業省および内閣官房国家サイバー統括室より発表された方針案を軸に、「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度(SCS評価制度)の構築方針」をテーマとして取り上げました。当日は経営層・事業責任者、ITセキュリティ・リスク管理部門、営業・企画部門など各社のセキュリティリーダーにご参加いただき、講演・パネルディスカッション・交流会を通じて活発な意見交換が行われました。
開催概要
- イベント名:Security Leaders
- 開催日時:2026年6月4日(木)16:30〜20:00(16:00受付開始)
- 形式:オフライン
- 会場:乃木坂倶楽部
- 参加対象:経営層・事業責任者(意思決定層)、ITセキュリティ・リスク管理部門(実務リーダー)、営業・企画部門(ビジネス推進層)
- 主催:株式会社Conoris Technologies
イベントの様子
1. オープニング〜「SCS評価制度」の概要とガバナンスへの影響
イベントは、弊社代表・井上による挨拶からスタートしました。冒頭では、2026年度下半期に始動する「SCS評価制度」の概要と、この制度がなぜ今重要なのかについて解説。IT基盤の対策状況を「星」の数で認定し、サプライチェーン全体の共通指標とする本制度の目的や、既存のISMSとの違い(ISMSがリスクベースで「管理体制」を認証するのに対し、SCSはベースラインアプローチで「IT対策の実施状況」を可視化するものであり、両制度は相互補完的な位置づけであること)が紹介されました。
さらに、経営層に求められる関与(サイバーセキュリティの経営リスクとしての位置づけ、CISOの設置、セキュリティ投資の確保・開示など)や組織体制の整備、そして発注企業・受注企業それぞれが直面する「新たな負担」について触れ、参加者の皆様に本イベント全体のテーマを共有しました。

2. 第1部講演:「制度の背景と今求められる企業ガバナンス」
第1部にご登壇いただいたのは、国内最大手級のITサービスプロバイダーとして、大手企業の基幹システムを長年にわたり支えてこられた企業です。登壇者は同社で情報セキュリティ領域を務められており、政府や業界団体とのネットワークを活かし、本制度の検討段階から情報収集や社内対応を重ねてこられたご経歴をお持ちです。
本制度にいち早く向き合ってこられた立場から、制度発足の背景や政府の意図、そして多くの企業が直面するであろう「共通の壁」について、先進的な視点から解説いただきました。
ご講演タイトル:「制度の背景と今求められる企業ガバナンス〜制度始動の背景、政府の意図や全社が直面すると予想される共通課題〜」

3. 第2部講演:「サプライチェーンセキュリティ評価制度の実務対応」
第2部にご登壇いただいたのは、グローバルに事業を展開し、国内外の製造業を中心に、ITインフラやセキュリティ対策の支援を数多く手がけてこられた企業です。登壇者は同社でセキュリティ関連のコンサルティングを担当されており、製造業のお客様と日々向き合う中で蓄積してこられた現場知見をお持ちです。
本制度の影響を色濃く受ける製造業と深い関わりを持つ立場から、現場で今まさに起きていること、そして先行企業が具体的にどのようなアクションを始めているのか、リアルな声をお届けいただきました。
ご講演タイトル:「サプライチェーンセキュリティ評価制度の実務対応〜多くの企業が動けていない中で、先行企業が実際にやっていること〜」

4. 第3部 パネルディスカッション:「今後のセキュリティ展望」
第3部では、第1部・第2部にご登壇いただいた2社に、株式会社Conoris Technologiesを加えた3社体制で、「2026年以降、日本全体でセキュリティがどう変化していくのか」をテーマにパネルディスカッションを実施しました。主な論点は以下の通りです。
- 大手企業が「SCS評価制度」に直面した際のリアルなリアクションと、共通する考え方の傾向
- 「SCS評価制度」は日本国内で定着するのか、その定着に何が重要となるか
- 「SCS評価制度」に限らず、セキュリティで競争優位を持つ企業の姿
- 今年度、企業は何をすべきか、逆に何をしないべきか
各社の視点から具体的な考察が語られ、会場の参加者にとっても今後の対応を検討する上での多くの示唆が得られる時間となりました。
5. 交流会(ネットワーキング)
プログラムの最後は、登壇者・参加ゲストの皆様を交えた交流会を開催。お飲物と軽食をご用意し、各社のセキュリティリーダーが一堂に会する貴重な機会として、名刺交換や現場の課題共有など、自由な情報交換が活発に行われました。

参加者の声
当日実施したアンケートでは、多くの前向きなフィードバックをいただきました。その一部をご紹介します。
- 他社事例を知る貴重な機会に 「他社様の取り組み状況と悩みのポイントを伺えて大変参考になりました」「同業の方と席が同じで、情報交換が有意義だった」といった声が多く寄せられました。
- 実務に直結するヒントが得られたという声も 「現時点で課題に感じている棚卸し部分について、登壇企業様のお話からヒントを得られた」「委託先管理やSCS評価への対応がまだ進んでいないため、体制整備に注力したい」など、自社の取り組みに引きつけた感想が寄せられました。
- 制度への関心・今後への期待 「市況がよく理解できた。今後のIPAからの発表にも注目している」など、制度の動向そのものへの高い関心もうかがえました。
今後の展望
SCS評価制度は2026年度末の運用開始が予定されており、発注企業・受注企業の双方にとって、今後さらに対応の検討が求められるテーマです。アンケートでは「AI活用事例の共有」「委託先・再委託先におけるセキュリティ対策の線引き」「制度開始後の導入・運用状況の事例」など、次回以降のイベントで取り上げてほしいテーマについても多くのご要望をいただきました。
Conorisは今後も、SCS評価制度をはじめとするサプライチェーンセキュリティの最新動向を踏まえ、企業の皆様のガバナンス強化に資する情報提供の場を継続して提供してまいります。
おわりに
ご来場いただいた皆様、ならびにご登壇いただいた企業の皆様に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。次回イベントの詳細につきましても、決まり次第あらためてご案内いたします。