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脆弱性診断士とは?必要知識から資格取得までを網羅的に解説!

Posted on:
January 25, 2024

近年、サイバーセキュリティの脅威が増大する中で、脆弱性診断士(*)の需要が増しています。この記事では、脆弱性診断士とは何か、脆弱性診断士にはどのような知識やスキルが必要なのか、どのようにしてこの分野の専門家になれるのかについて詳しく解説します。セキュリティの脅威に対抗するための重要な役割を担う脆弱性診断士について、その職務内容から資格取得のプロセスまで、幅広い視点から網羅的に紹介します。※脆弱性診断業務に就いている人を示す言葉は「脆弱性診断士」のほかに「脆弱性診断員」もありますが、この記事では「脆弱性診断士」で統一します。

認定ネットワーク・WEBアプリケーション脆弱性診断士とは?

サイバーセキュリティの分野は多岐にわたり、その中でもネットワークとWEBアプリケーションは特に重要な領域です。ここでは、これらの分野に特化した二つの資格、「認定ネットワーク脆弱性診断士」と「認定WEBアプリケーション脆弱性診断士」について紹介します。各資格がどのような知識と技能を要求し、それぞれがどのように専門性を深めるのに役立つかを掘り下げます。

ネットワークのプロフェッショナル「認定ネットワーク脆弱性診断士」

「認定ネットワーク脆弱性診断士」は、ネットワークセキュリティにおいて基盤的な機能を果たします。これらの専門家はネットワークの複雑な構造に精通しており、セキュリティスキャナー等の最先端技術を利用して潜在的な脆弱性を特定します。さらに、攻撃者が使用する情報収集の方法や侵入手段を分析し、それに基づいて適切な防御策を立案・実行することで、組織のサイバーセキュリティを強固にします。

WEBセキュリティのエキスパート「認定WEBアプリケーション脆弱性診断士」

WEBセキュリティは、デジタル時代の企業にとって不可欠な要素です。「認定WEBアプリケーション脆弱性診断士」は、インターネット及びイントラネット環境で動作するWebシステムやWebアプリケーションのセキュリティを専門とします。自動診断ツール等によるセキュリティテストを通じて、攻撃者が利用する可能性のある脆弱点を精密に検出し、システムの堅牢性を確保するための戦術を設計・実施することで、企業のWeb環境を守ります。

脆弱性診断士に必要な基礎知識~脆弱性について理解する~

脆弱性診断士として効果的に機能するためには、脆弱性の基本的な理解が不可欠です。このセクションでは、脆弱性の全体像を理解し、より効果的なセキュリティ対策の策定に必要な基本的な情報を提供します。まず脆弱性の定義と影響を詳しく説明し、次に一般的な脆弱性の種類とその具体例を掘り下げていきます。

脆弱性の定義とその影響

サイバーセキュリティにける脆弱性とは、ネットワークやシステム内のセキュリティ上の弱点を指します。これらは攻撃者によって悪用される危険性があり、不正アクセス、データ漏洩、サービス妨害といったセキュリティインシデントを引き起こす可能性があります。そのため、脆弱性診断士による脆弱性の発見と対処は、企業のセキュリティ管理において極めて重要です。対策を怠れば、企業の信用失墜、顧客の信頼喪失、経済的損失など深刻な結果を招くことになります。脆弱性対策は、予防的なセキュリティポリシーの策定、リスク評価、継続的なセキュリティ教育を含む総合的なアプローチが求められます。

一般的な脆弱性の種類と例

セキュリティ脆弱性には多種多様な形があります。たとえば、SQLインジェクションは、プログラムにSQL文組み立て方法の不備があることを利用して、攻撃者がデータベースに無許可で命令を送り込む手口で、重要な情報の窃取につながります。クロスサイトスクリプティング(XSS)では、悪意のあるコードをウェブページに挿入し、ユーザーのブラウザ経由で攻撃を試みます。これらの脆弱性は攻撃者による不正アクセス、情報盗難、システムへの損害という共通のリスクを持ち、脆弱性診断士はこれらの脆弱性に対する警戒と対策を常に心がける必要があります。

脆弱性診断士に求められるスキルと現場での役割

脆弱性診断士は、技術的知識だけでなく、状況判断力やコミュニケーション能力も必要とされます。セキュリティインシデントを予防し、発生時には迅速かつ効果的に対応する責任を担います。このセクションでは、脆弱性診断士としての現場での役割と職務遂行に必要なスキルセットについて掘り下げます。

脆弱性診断士が行う脆弱性評価のプロセス

脆弱性診断士は、システムやアプリケーションを徹底的に分析し、セキュリティ上の弱点を特定するプロセスを実行します。この過程には、自動化ツールを使用したスキャンや手動による詳細なチェックが含まれることがあります。通常、脆弱性の評価は定期的に実施され、新たな脆弱性が発見されるごとにリスクの優先度を評価し、適切な修正措置を推奨します。この過程での課題は多岐にわたるため、詳細な技術知識とともに、問題解決能力も求められます。

脆弱性診断士に求められるスキル

脆弱性診断士には、ネットワークやシステムに関する深い知識に加え、セキュリティツールに対する専門的な技術も必要です。例えば、ポートスキャニングには「Nmap」、脆弱性スキャンには「ZAP」のようなツールが一般的に使用されます。これらのツールを効果的に活用し、システムの脆弱性を見つけ、潜在的なリスクを分析する能力が求められるのです。さらに、リスク評価と適切な対策の策定、技術的な内容を非専門家にも理解できるように伝えるコミュニケーション能力も重要です。

認定脆弱性診断士資格試験について

「認定脆弱性診断士」資格は、セキュリティ専門家を養成するための重要な認定プログラムです。「認定脆弱性診断士」資格を取得することで、脆弱性診断の知識と実践的な技能を証明し、セキュリティ分野での信頼性と専門性を示します。

認定脆弱性診断士資格取得のプロセス

認定脆弱性診断士になるためのプロセスは、トレーニングプログラムの受講または独学でのトレーニングから始まります。認定試験で要求される知識は脆弱性診断士スキルマップ&シラバス(*)の「Silver」ランクに記載の項目となります。その後、認定試験に合格することで資格が付与され、脆弱性診断の実務能力を有していることが認定されます。この資格は、セキュリティ専門家としてのキャリア形成において大きな価値を持つでしょう。

*脆弱性診断士スキルマップ&シラバス:https://owasp.org/www-pdf-archive/Pentester-Platform-Skillmap_and_Syllabus-201604.pdf

認定脆弱性診断士資格の学習方法

認定脆弱性診断士資格を取得するための学習方法には、大きく分けて二つのアプローチが存在します。一つ目は公式のオンライントレーニングプログラムを通じた学習です。この方法では、専門的な講師による指導のもと、実践的な知識と技能が提供されます。受講者はセキュリティ脆弱性の理論、攻撃手法、防御戦略に加え、ツールの操作や脆弱性分析の実践技術を学びます(*)。二つ目は、独学による学習です。この方法では、参考書籍、オンライン資料、フォーラム、実践的な演習環境などを活用し、個人のペースで知識とスキルを身につけます。どちらの方法も、脆弱性診断の専門家としての資格取得を目指す上で効果的ですが、自分の学習スタイルや目標に応じて選択することが重要です。

*オンライン(ライブ配信)での2日間の講座+試験で22万円程

受験費用、合格基準について

「認定ネットワーク脆弱性診断士」および「認定WEBアプリケーション脆弱性診断士」の資格試験は、どなたでも受験可能です。試験形式はコンピュータベーステスト(CBT)の多肢選択式で、30問を60分で解答します。受験料は29,700円(消費税込)で、クレジットカードやコンビニ決済が利用できます。試験は年末年始を除き随時実施され、全国の共通テストセンターで受けられます。合格基準は正答率70%以上で、試験終了後に即時結果が発表されます。

脆弱性診断士としてのキャリアパス

脆弱性診断士としてのキャリアは、情報セキュリティの重要な分野における専門家として多大な機会を提供します。資格取得により、技術者はセキュリティの脆弱性を評価し、対策を立案する能力を証明できます。また、企業や組織内でのセキュリティ関連のポジション、コンサルタント、独立したセキュリティ評価者としての職務を担うことが可能になるでしょう。さらにこの分野では常に新しい脅威や技術が現れるため、継続的な学習とスキルのアップデートが求められ、キャリア成長の可能性が広がります。認定脆弱性診断士は、情報セキュリティ分野において確固たる地位を築くためのステップとなり得るでしょう。

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